家族カードとは?
家族カードと言うのは、元となるクレジットカードを持っている会員の家族に配ることの出来るカードです。
元となる親カードに対して、子カードとして家族分を数枚発行することが出来ます。
今回は、この家族カードの詳しい仕組みや内容、メリット・デメリットについてお話していきたいと思います。
1.家族カードの仕組み
クレジットカードを発行すると、そのカードは申し込み者本人しか使うことはできませんね。妻や子どもへ一時的でも貸して使わせるというのは規約違反となってしまいます。
しかし家族カードを発行し、家族にそのカードを持たせておくと、家族それぞれが利用出来るようになります。
そのカードの内容なども親カードと同じになっており、利用分の返済についても親カードで利用した分と同じ口座から一緒に引き落としとなりますし、利用明細1枚の紙にまとめて記載されて発行されることになります。
家族カードは、親カードの分身と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
ただし、家族全員分発行できるわけではなく、カード会社によって、発行出来る家族カードの枚数は決められてしまいます。
たいていは2~3枚に設定されてしまいますが、9枚程度まで可能している会社もあります。家族カードをたくさん作りたい場合は、その会社がどれくらい発行してくれるのかを先に調べてから本会員の申し込みをするといいでしょう。
2.家族カードの内容
それぞれのカード会社によって内容も若干違ってきますが、ここでは一般的な家族カードの内容について触れてみたいと思います。
審査方法
親カードの申し込みがあった場合は、申込者本人に対して通常の審査が行なわれます。しかし、審査に通過し、取得に成功した親カードの家族カードを発行する場合は、特別な審査も無いまま可能となるのです。
もし家族の方の個人信用情報に問題があったとしても、本会員となる方の個人信用情報に問題さえなければ発行は可能となるのです。
収入のない専業主婦であったり、自分一人の収入ではクレジットカードの審査に通過出来ないと考えられる場合、未成年や学生の場合でも、家族カードを発行してもらうことが出来るので、便利ですね。
年会費
家族それぞれが申し込み、クレジットカードを取得した場合、そのカードが年会費のかかるものだった場合、人数分の年会費を支払わなければならなくなりますね。
しかし、家族カードだと、年会費がかかるのは親カードのみで、家族カードの年会費は無料かもしくは半額になることがほとんどです。
但し、そのカードによっては、本会員の年会費は無料だけれど、家族カード分の年会費はいくらか必要になってしまうことも有りますし、家族カード1枚目までは無料だけれど、2枚目から年会費がかかってしまうものもありますので、申し込みする際は先に年会費の詳細をきちんと確認しておくといいでしょう。
限度額
そのカード会社によって設定方法は違ってきますが、親カードと同じだけの限度額が設定される場合と、親カードの限度額を家族分で割って設定される場合があります。
付帯保険
付帯される国内・海外旅行保険も、親カードと同等の補償がついてきます。
家族で旅行する際は、それぞれが保険に加入すると保険料も嵩んでしまいますが、年会費無料の家族カードを申し込むと、無料で家族が全員保険に加入出来ることになります。
また、ショッピング保険や紛失保険・盗難保険等の補償も同等になりますので、安心ですね。
ポイント
ポイントも家族で一緒に貯め、還元することが出来ます。
例えば、期限付きのポイントだった場合、本会員一人では短期間になかなか思うように貯められず、ポイントを無駄にしてしまうことが多かったとしても、家族で一緒に貯めていくことが出来れば、期限内に十分なポイントを貯めることが出来ますね。
マイル
マイルもポイントと同様、親カードと一緒に家族カードからも貯めていくことができます。家族それぞれが別々のカードを使って貯めていくよりも効率的に貯めていくことが出来ます。
利用明細
家族カード分も親カードの利用明細に一緒に記載されてしまいます。
家族が誰にも知られずにカードで好きなものを買うということが出来なくなる点が残念と感じる方も多いかもしれませんが、親が子供に家族カードを渡す場合は、いつどこでどのようなものを買うのにカードを使ったのが明確になるため、安心ですね。
返済方法
基本的には親カードの利用分が引き落とされる口座から、家族カード分も引き落とされる形になります。しかし、一部、家族カード利用分の引き落とし口座を親カードと分けることが出来るカードもあります。
三井住友VISAカードのゴールド会員やプラチナ会員になった場合ですね。
3.家族カードのメリット・デメリット
家族カードのメリット
審査が楽
クレジットカードを申し込む場合は、面倒な審査が必要になってしまいますね。自分の属性や個人信用情報等も調べられたうえで、審査に通過できなければカードを取得することは出来ません。
しかし、家族カードであれば、そのような審査は本会員に対してのみ行われるので、他の家族は安心です。
万が一、以前他の借り入れで延滞等をした経験があったとしても、申込者本人にさえ問題がなければ延滞者の家族にも家族カードを発行してもらうことが出来ます。
無料で保険加入
海外旅行等に行く場合、保険に加入しないと不安ですね。旅行の際の保険料はそれほど高額ではありませんが、年会費無料の家族カードを発行してもらうことが出来れば、タダでカード付帯の本会員と同等の海外旅行保険に加入することが出来ます。
お得ですね。
家計簿として利用
家族それぞれが別のカードを持っていると、明細も別々になってしまうので、全ての引き落としを管理するのは面倒です。
しかし、家族カードであれば、それぞれがカードを持って利用していても、その利用明細は一緒に届きますので、お金の流れがわかりやすくなりますね。この利用明細をそのまま家計簿として利用することも出来ます。
家族カードのデメリット
クレジットヒストリーを作ることが出来ない
若いうちから家族カードを作り、その後ずっと家族カードしか持っていない状態が続いていると、自分自身のクレジットヒストリーを作ることが出来なくなってしまいます。
家族カードはそれだけで存在できるものではなく、あくまでも本会員のカードがあるからこそ成り立っているものです。ですから、家族カードをいくら使っても、その利用分の返済状況は本会員のクレジットヒストリーとなってしまうのです。
そのため、自分自身の良好なクレジットヒストリーは積み上げることが出来ません。
クレジットヒストリーが作られないと、今後新規でクレジットカードやローンの申し込みをしたとしても、過去の返済履歴が分からないため、信用できる人なのか、その会社に判断してもらうことが出来ませんね。「クレジットヒストリーがないから」と言う理由で審査に落ちてしまうことも有るのです。
家族カードを利用していても、30歳になるまでには、自分だけのクレジットカードを作っておいた方がいいかもしれませんね。
利用明細が一目瞭然
親カードで使った分も家族カードで使った分も、一緒の明細としてあがってきてしまいます。家族に知られたくない利用分があっても、隠すことが出来ません。
このことでトラブルとなってしまう夫婦や親子も多く存在しています。
限度額に達するのが速い
限度額を家族全員で共有する場合、自分が使っていなくても、家族の誰かが高額ショッピングをする事で限度額に達してしまい、その返済が終わるまで他の家族もカードを利用できないという状況になってしまうことも考えられます。
また、誰か一人が高額ショッピングをしたのではなくても、共有するのですから、自分一人で利用するよりも家族みんなで利用した方が限度額に達するまでの期間は速まってしまう傾向にあるでしょう。
限度額が高いゴールドカードなどであれば安心ですが、限度額が低い場合は注意が必要です。
家族カードと言うのは、便利ではあるものの、メリットと同じだけデメリット部分も存在しています。
発行するまではいいのですが、その後の管理についてプライバシーが守られないのは残念ですね。
本会員がいてこそ受け取れるカードとなりますので、その後の管理も全て本会員に委ねられてしまうのは仕方ありませんが、プライバシーを気にする方にとっては好ましい方法ではないかもしれません。
しかし、自分一人では審査に通過することが出来ない方でも、本会員の力を借りてクレジットカードを取得することが可能になるので、そのような方にとってはとてもメリットの高い方法ではないでしょうか。
家族カードを検討している方は、後々トラブルとなることのないよう、その後のデメリット部分も踏まえたうえで申し込むようにしましょう。