過去に解約経験があるとクレジットカードの審査に通りにくい?
1度解約手続きをして手放したカードでも、後から「やっぱり必要だった」と思ってしまうこともありますね。解約して他のカードを使ってみたものの、やはり以前持っていた物の方が使いやすかった、と気持ちが変わることもあるでしょう。
こんな時、1度解約したカード会社へ再度申し込むことは出来るのでしょうか?
そして、無事審査に通過することは出来るのでしょうか?
今回は、解約経験があるクレジットカードを再申し込みした際、審査にどの様な影響があるのか、ということについてお話していきたいと思います。
1.再申し込みは簡単?
一度解約したカードを再取得するのは、案外簡単なのでは?と思う方が多いようです。
解約したということは、その前段階で、「審査に通過し、カードを取得出来た」という事実があるからですね。一度通過することができた審査なのであれば、もう一度申し込んでも同じように通過できるだろうと考えるのは当然です。
しかし、実は再申し込みだから大丈夫と簡単に考えることは出来ないのです。
むしろ再申し込みだからこそ、審査に通過しづらくなるということもあるのです。その理由について詳しく見ていきましょう。
①個人信用情報の記録
再申し込みでも、新規申し込みと同じように最初からその申し込み者に対して審査が行われます。以前申し込んでくれた方だから大丈夫と、審査を免除するなどの優遇はされないのです。
ですから、以前そのカード会社のカードを持っていたからといっても、他の新規申し込み者と同じ立場なのだと思って申し込みをしなければなりません。
この場合、属性等の情報はもちろんのこと、個人信用情報についても開示され確認されてしまいます。もしも解約してから再申し込みするまでの間に、別の借り入れに対して延滞等をしてしまうと、その思わしくない情報も個人信用情報に残ってしまうため、それが原因で審査に通過することが出来なくなってしまうでしょう。
また、再申し込みの理由が、新規申し込みのキャンペーンを狙って申し込み、短期間で解約するという行為を繰り返していたけれど、解約したカードの中に必要なものがあったと気づいて慌てているという場合、審査に通過するのは難しいかもしれません。
繰り返されたカードの申し込みと短期解約は、全て個人信用情報に残ってしまうからです。
この場合、キャンペーンを狙っただけの短期解約者と言うレッテルを貼られ、今後カードを発行してもカード会社の利益には繋がらないだろうと判断され、審査に通過できなくなってしまうでしょう。
②環境の変化
以前審査に通過し、カードを発行してもらった時と、今現在自分の置かれている状況に違いが生じてしまった場合、それによって審査の進め方も変わってきてしまいます。
例えば、実家住まいで親と同居だったけれど、カード解約後アパートで一人暮らしになってしまっていたり、転職して収入に変化が起こっていたり、結婚していたり、などですね。
以前は実家住いで固定電話もあったため、審査に無事通過出来ていたとしても、その後一人暮らしを始め、固定電話も付けず、転職して収入も減っていると言う状態であれば、審査に通過することが難しくなってきてしまいます。
逆にいい方向に変化があった場合は、以前より審査に通過しやすくなるということもありますが、カード会社にとって思わしくない環境になってしまっている場合は、以前の様にスムーズに審査に通過することは出来なくなってしまうでしょう。
③以前の利用状況
再申し込みも新規の申し込みと同様の審査が行われるとお話しましたが、さらに再申し込みの方の場合、以前の利用状況も確認した上で審査が進められることになります。
例えば以前カードを持っていた時、積極的にカードを利用し、返済も滞りなく済ませていた場合、再発行してもまた同じように利用してくれるだろうと考え、審査に良い影響を与えますが、もし、カード取得後全く利用しないままただ持ち続けていただけであった場合、この様な顧客にカードを再発行するメリットはないと考えられてしまいます。
もし年会費がいくらか必要なカードであれば、カード会社も年会費から利益を得ることが可能になりますが、年会費無料のカードの場合、顧客が積極的に利用してくれないと、少しも利益を得る事ができませんね。
年会費は無料としていても、カード会社としてはそのカードの発行、発送、維持費等にコストがかかっているため、カードを積極的に利用してくれない顧客へのカード発行は赤字にしかならないのです。
そのため、利益を得ることが出来ないと最初からわかっている方、もしくは、そうであろうと予想される方へ再度カードを発行することはしたがらないのです。
④再入会までの期間
そのカード会社によって、解約してから一定期間経過していないと再申し込みを受け付けないと定めている場合があります。審査が柔軟なカードであれば、数日で可能となる場合もありますが、厳しいものだと解約から1年以上経過していないと申し込むことすら出来ないのです。
どんなに以前の利用状況が好ましく、属性にも問題がない方でも、この定められた期間を経過しなければ審査に通過することは出来ません。
再申し込みが可能になる経過期間というのは、カード会社ごとに違ってくるため、申し込む前に一度確認しておくといいでしょう。
この様な理由から、一度解約したことがあるクレジットカードの再申し込みは、新規申し込みよりも不利になってしまう傾向にあるのです。
もし解約せずそのままカードを持っていたなら、強制解約などをされることもなく、同じように持ち続けることが出来ていたはずのものでも、一度解約し、再申し込みをするとなると、取得することが難しくなることがあるため、解約する時に本当に必要ないものなのかどうか、きちんと考えることが大切ですね。
2.再申し込みでも審査に通過しやすくするには
再申し込みで審査が不安な場合は、一度クレジットカード会社へ相談してみるといいでしょう。
解約した理由や、再申し込みしたい理由が正当なものであれば、その事情を伝えることで良心的な対応をしてくれます。何度も同じことを繰り返すことは出来ませんが、1回目なのであれば、相談することで審査に通過しやすくなるかもしれません。
同じカードの、カードブランドだけを変更したいときもあるでしょう。JCBだったものをMasterCardやVISAに変更したいなどですね。
この場合もまた、ブランドだけを変更するわけにはいかないので、一度解約し、別のブランドのカードの申し込みをしなければなりません。
しかし、何も言わず勝手に解約をし、再申し込みをしても、カード会社はあまりいい印象を受けないでしょう。この場合、解約前にカード会社へ相談することが大切です。
ブランドだけを変更したい旨をきちんとカード会社に相談してから解約・再申し込みの手続きを行うと、審査もスムーズに進められるでしょう。
クレジットカードも、やはり人と人とのやり取りによって発行が可能になっていくものですので、ただ単に勝手なわがままで解約したり再申し込みをしたりするのではなく、きちんと事情を説明し相談をすることが大切ですね。
しかし、申し込む前、そして解約する前に一度きちんと検討することも必要です。
申し込む時は、そのカードが本当に必要な物なのかどうか、カードブランドは適正なのか、間違いないか。解約する時は、せっかく取得したカードですので、手放して後悔しないか、本当に必要ない物なのかどうか。
これらをしっかり考えた上で手続きを行ないましょう。きちんとした考えのもと行えば、その後慌てて再申し込みをする事もないでしょう。
3.注意点
解約してしまうと、それまで貯めていたポイントなども全て手放すこととなってしまいます。一度解約して再申し込みをしたからと言って、以前のポイントが復活するということもありません。
ポイントは利用額に応じて増えていくものなので、以前と同じだけのポイントを稼ぐには、同じだけの利用をしなければなりませんね。そのためには時間もお金もかかってしまいます。
せっかく貯めたポイントを手放してまで解約して再申し込みするくらいなら、そのままカードを持ち続けていた方がお得ではないでしょうか。
また、新規申し込みの場合、様々なカード会社でポイントプレゼントなどのキャンペーンを行っていますが、この様な新規顧客へのキャンペーンも、再申し込みの方は対象になりません。
「新規」ではないからです。
このようなことを知ったうえで、それでも再申し込みする必要があるのかどうか、ということもきちんと検討してみましょう。
この様に、過去に解約経験があると、必ずしもカード審査に不利になるということはありませんが、不利になってしまう可能性が高いというのは事実です。
もちろん、以前カードを持っていた時の利用状況が良好で、解約後の個人信用情報にも問題がなく、環境にも変化がない場合は、再申し込みをしても特に問題なく審査に通過することが出来ますが、新規で申し込む場合よりも確認される項目が増えるため、「再申し込みは簡単」と思って申し込むとがっかりしてしまうこともあるかもしれません。
特に、以前カードをそれほど頻繁に利用していなかった方は注意が必要です。
今後積極的に利用して行きたいのであれば、その旨、カード会社へ伝えてみるのもいいかもしれませんね。