前科あってもクレジットカードの審査に通りますか?
前科がある場合、そのことがクレジットカード審査に影響するのではないかと不安に感じる方が多いようです。
クレジットカードを作る場合、申し込み者の属性や様々な個人情報も調べられるため、過去の罪についてもわかってしまうのでは?と思うのでしょう。
実際、「前科があるとクレジットカードを作れないのか?」とカード会社へ問い合わせる方もいると言われています。
前科は本当にクレジットカード審査に影響があるのでしょうか?
今回は、クレジットカードの審査で調べられることや、前科は審査にどのように関係してくるのか、等についてお話していきたいと思います。
1.クレジットカード審査で調べられること
クレジットカードを申し込むと、申込み書の記載内容を元に、様々な方向から審査が行われます。
申込み書に記載するべき内容はそのカード会社によって違ってきますが、たいていは以下のようなものになりますね。
・氏名
・年齢(生年月日)
・住所
・電話番号
・居住形態
・居住年数
・家族について(人数など)
・職業について
<勤務先について>
・勤務先名
・部署名
・役職名
・勤務先の所在地、電話番号
・資本金
・従業員数
・入社年月日
・年収
<他社の借り入れについて>
・他社からの借り入れの有無
・借り入れがあるなら、その利用額
<希望>
・希望の利用限度額
・キャッシング枠の有無
・キャッシングの希望限度額
これらの内容をきちんと記入すると、カード会社ではそれを元に全ての項目を点数化させ、スコアリングしながら審査を進めていきます。
さらに審査するうえでの参考資料として、開示した個人信用情報や、カード会社で保管しているデータベースを使い、申込み書記載内容との照らし合わせも行います。
個人信用情報からは申し込み者の過去の借り入れ状況がわかるため、申し込み内容に虚偽の記載がないかどうかを確認出来ますし、以前別のローン等を申し込んだ時の属性もわかるため、その属性と今回申し込み書に記載された内容を照らし合わせることで、申し込み内容の信用性を確認する事が出来るからです。
また、カード会社で保管してあるデータベースから、申込み書に記載されている勤務先の会社が実際に存在するものなのか、その会社の経営状態は良好なのか、記載された収入は妥当な金額なのか、などを知ることも出来ます。
この様に、様々な方向から申し込み者本人が信頼できる方なのかどうかを確認していくのです。
前科のある方は、この様な審査の段階で、過去の犯罪が明らかになるのかという点を知りたいのではないでしょうか。
結論からお話しますと、どんなに個人情報を調べられたとしても、このクレジットカード審査で、カード会社が前科についてまで知ることは出来ません。開示された個人信用情報には、過去の借り入れに関する情報は載っていても、前科についてまでは書かれていないからです。
また、犯罪者名簿というものがあるため、そこから前科が公になってしまうのでは?と恐れている方がいるかもしれませんが、これは一般の方やカード会社等一般企業の方が見ることは出来ないようになっています。
そのため、過去の犯罪についてはその事件を知っている場合以外、カード会社は知る事が出来ないのです。
と言うことは、前科を持っている方でも、前科を隠したまま安心してクレジットカードの申し込みができるということになります。
しかし、場合によって前科がバレてしまい、それが原因で審査に通過出来なくなってしまうこともあります。ではそれはどのような場合でしょう?
2.前科がカード審査に影響を及ぼす場合
カード会社が独自の審査から、申し込み者の前科を知ることは出来ません。ですから、安心してクレジットカードの申し込みをしてもいいのですが、以下の場合、前科が原因で審査に通過出来ないことがあるのです。
自ら前科があることをカード会社へ伝えてしまった場合
クレジットカードの申し込みをする時、確認の為に「前科があるけれど大丈夫か」と聞いてしまう方がいます。後からバレて審査落ちとなってしてしまい個人信用情報にその記録が残るより、先に確認しておき、確実と思える場合のみ申し込みをした方が安全と考えてのことでしょう。
また、審査がどの様に進められるのか不安を感じている為に、「前科があることが問題になることはないか」と確認したくなるのかもしれませんね。
しかし、クレジットカード会社では「前科があること」を知って、その人に対して良い印象を受けるはずがありません。その事実を知ってしまうと、審査に大きく影響してしまうことは避けられないでしょう。
その前科が原因で審査に通過出来ないことも十分考えられます。
カード会社が、これまで前科のある人でも審査に通過させていたのは、「前科があるかどうかということを把握できないから」であって、「前科があっても問題ないから」ではないからです。
無担保でお金を貸す形になるクレジットカード会社としては、前科があることを知ってしまうとそれを無視して審査を進めることは出来ないでしょう。
虚偽の申告
前科があることでなかなか就職することが出来ないまま、クレジットカードの申し込みをしようと思った時、無職でカード審査に通過することは出来ませんね。また、就職できたとしても、働いて間もないために収入が低い状態の方も審査に通過するのが難しくなってしまいます。
そこで、勤務先や勤続年数、収入等を偽って申し込む方がいます。
この場合、虚偽の申告はカード会社に簡単にばれてしまいます。カード会社では、様々な企業の情報を持っているため、その情報の中から、申込み書に記載された勤務先について詳しく知ることが出来るからです。
勤務先が実際に存在するかどうかも分かりますし、その会社に何年勤めているどの様な役職の方であれば、どれくらいの収入になるのかということまで把握できてしまいます。
当然、カード会社で持っている情報と申込み書に記載された内容が違っていれば、嘘が発覚し審査に通過出来ませんし、もし嘘がバレなくても、疑わしい内容が多ければ、更にその申し込み者について詳しく調べていくことになるでしょう。
刑務所に入っている間の空白の時間が当然ありますので、その数年間何をしていたのか、という部分を突っ込まれて調べられてしまうと前科がばれてしまうかもしれませんね。
すると、嘘の申告+前科を理由に、断られてしまうことでしょう。
審査の柔軟なカード会社であれば、収入が低くても通過出来ることがありますので、まずはアルバイトでもいいので何か職につく努力をした上で、クレジットカードの申し込みをすることが大切です。
審査に通過することが難しい状況でも、前科について以外は正確に申告すると、前科のことを無視して審査を勧めてもらうことが出来ます。偽って申し込むよりも、通過する確率を上げることが出来るでしょう。
また、虚偽の申告は、場合によって訴えられ、逮捕されてしまう事も考えられるので、危険です。これ以上前科を増やさないよう気を付けましょう。
クレジットカードの残高をそのままにして服役した場合
クレジットカードを利用している最中、その支払いを完了させないまま服役することになってしまった場合、その利用分に関しての事故情報が個人信用情報に残ってしまいます。
すると出所してから新たなクレジットカード申し込みをしても、個人信用情報の記録が思わしくないために審査には通過出来なくなってしまいます。
この場合、クレジットカード審査に通過出来ない直接の原因は「個人信用情報に記録されている事故情報」ですが、本を正すと前科が原因ですね。
担当者が前科について知っている
これは可能性が低いかもしれませんが、クレジットカードの申し込みをした窓口で担当してくれた方が、自分の前科について知っていたということも考えられます。
審査を進める段階でも、そのカード会社の中に、前科について知っている方がいることも考えられるでしょう。
この場合、前科を理由に断られてしまうこともあります。
しかし、基本的には前科があっても、クレジットカード会社がその事実を知ることは出来ませんので、今現在きちんと就職し、毎月安定した収入が得られているのであれば、安心して申し込みをしてみましょう。
但し、自ら前科があることを伝えたり、虚偽の申告をするなど、不利な状況を作らないように気をつけることが大切です。