カードブランドはVISAがいい?MasterCardがいい?
クレジットカードを作る場合、同じカードでもVISAやMasterCardなどのカードブランドを選ぶことが出来ますね。しかし、VISAにしたらいいのかMasterCardにしたらいいのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そもそもカードブランドとは何なのか、VISAとMasterCardの違い、また、クレジットカードを作る場合、どちらのカードブランドを選ぶといいのか、等についてお話していきたいと思います。
1.カードブランドの種類
クレジットカードを持っている方であれば1度は目にしたことがあると思いますが、カードの隅の方にJCBやVISAといったロゴが印字されていますね。
このロゴこそがカードブランドなのです。
VISAと記されていれば全世界のVISA加盟店で利用出来るカードとなりますし、MasterCardであればマスターカード加盟店で利用できるものとなるでしょう。
このブランドはカード自体の名前とは別ものですので、同じカードを持っていても、人によってVISAであったり、MasterCardであったりするのです。
カードブランドとして有名なのはVISAやMasterCardですが、カードブランドはこの他にもいくつか存在していて、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナースカード、Discover、中国銀聯などがあります。
Discoverや中国銀聯はまだ新興ブランドであるため、あまり広く知られてはいませんが、今はこれら7つのブランドをまとめて7大国際ブランド、もしくはDiscoverと中国銀聯を外して、5大国際ブランドと呼ばれています。
しかし、やはり世界中で愛され続けているのはVISAとMasterCardで、この2つのブランドは2大国際ブランドとも言われ、カード売り上げの6割以上を占めているのです。
2.カードブランドの役割
これらのカードブランドとしての主な役割は、世界中での決済業務です。このブランドを通してクレジットカードを発行することで、国内だけではなく海外でも国内と同じようにカード決済が出来る仕組みとなっているのです。
クレジットカードでの決済が行われる場合、たいていは以下のような会社が関わってきます。
・クレジットカードを発行する会社(イシュア)
・国際ブランド
・カード取扱店を管理する会社(アクワイアラ)
・カード取扱店
イシュアは主に、カード会社ですね。楽天やオリコ、ニコスなど、クレジットカード発行を行っている会社の事です。アクワイアラと言うのは、カード取扱店と契約している金融機関です。
イシュアとアクワイアラは直接契約を結んでいるわけではなく、イシュアとアクワイアラを繋げる役割として国際ブランドが存在しているのです。
仲介役である国際ブランドが無ければ、カード取扱店がいくらアクワイアラと契約を結び、カード利用分の請求をしても、アクワイアラである金融機関がカード発行会社とは繋がらないため、カード利用者へ直接支払いを請求することが出来なくなってしまいます。
つまり、国際ブランドがあるからこそ、世界中でカード決済がスムーズに行える仕組みとなっているのです。
3.ブランドはどのように選べばいい?
カードブランドは決済を行うために必要なものだということはお分かりいただけたかと思いますが、VISAにするかMasterCardにするかその他の国際ブランドにするかは、申し込み本人が選び決めなければなりません。
しかし、カードブランドとしての役割がわかったとしても、いざ選ぶとなると何を基準にどのブランドを選んだらいいのかわかりませんね。
迷った時はとりあえずVISAを、と言われている方も多いのではないでしょうか?
しかし、それぞれのブランドにはそのブランドならではの特徴があり、また加盟店舗数にも違いが出てきます。「よく分からないから、間違いのないVISA」ではなく、特徴をよく知り、自分が一番利用しやすいと考えられるブランドを選ぶようにすると、今後もより便利に活用できるカードとなってくれることでしょう。
そこで、ブランドごとの特徴をお話していきたいと思います。
①JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナースカード
これらの3種類のブランドはVISAやMasterCardとは違い、決済業務だけではなく自社ブランドのクレジットカード発行業務も行っています。
通常は国際ブランドは決済業務のみを行い、カード発行業務は発行会社が担うとお話しましたね。
しかし、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナースカードではそれぞれが自社ブランドのカード発行業務をしているため、VISAやMasterCardのブランドとは少し形態が異なっているのです。
旅行時の保険やサービス、会員の為のサポ―ト等、通常はカード発行会社が行っている業務もこれらのブランドで独自に行っていますし、同時に力も入れています。
但し、アメリカンエキスプレスやダイナースカードは、そのカード自体のランクが高く、富裕層の為のカードとして知られているため、一般の方が手にするのは難しいと考えられています。
働き盛りの男性は、ステータスの為に持ちたいと希望する方が多いようですね。
一方JCBは、アメリカンエキスプレスやダイナースのように、JCB独自でカード発行業務を行っているのですが、アメリカンセキスプレス等の様に敷居が高いわけではなく、誰でも手にしやすいブランドとなります。
特に日本での知名度はとても高く、日本国内だけで利用するなら世界的に有名なVISAやasterCardより活用しやすいでしょう。日本国内での人気も高めです。
②VISA
正式名称は「ビザ・インターナショナル・サービス・アソシエイション」で、決済業務のみを行っている世界最大の国際ブランドです。
JCBやアメリカンエキスプレス、ダイナースカードと違い、クレジットカード発行業務は行っていません。利用限度額や金利、ポイント等の特典制度、締日や返済日などは別に存在する発行会社に委ねる形になるため、同じVISAカードでもそれぞれカードの特徴は発行会社によって異なってきます。
楽天カードのVISAであれば、楽天カードならではの特典を得ることになりますし、オリコカードのVISAであれば、オリコカード独自の特徴を持ったものとなるでしょう。
しかし、VISAは決済業務としては世界最大ですので、加盟店も一番多いと言うのが最大の強みです。VISAの加盟店ではないお店を探す方が難しいとも言われています。
VISAカードが使えないお店と言うのは、カード決済自体行えないお店である可能性が高いでしょう。
加盟店が多ければ、利用者もカード決済可能なお店を探してショッピングするという手間が省かれ、買いたいと思ったその時にすぐにカード利用が可能となるため、便利になりますね。その為、加盟店の多さ、利用しやすさから「迷った時はVISA」と言われているのでしょう。
また、全世界で加盟店の多いVISAではありますが、特にアジアや北アメリカで利用しやすくなっています。アジアやアメリカへ旅行する際は、VISAカードを用意しておくと安心でしょう。
③MasterCard
こちらもVISA同様、カード決済のみの業務を行う国際ブランドです。
日本国内においての加盟店はほぼVISAと同等になりますが、海外はVISAの加盟店の方が多くなりますので、全世界での加盟店数や利用しやすさで考えた場合、MasterCardはVISAに次ぐ第2位となってしまいます。
しかし、日本のみで利用する場合は、その業務内容や利用しやすさにおいてVISAとほとんど違いがありません。基本的にはどちらを選んでも大丈夫でしょう。
但し、海外で利用したい場合は、その国によって、MasterCardが使えるけれどVISAが使えない、VISAが使えるけれどMasterCardが使えないというお店も中にはありますので、1枚目のカードをVISAにしたのであれば、2枚目はMasterCardにしておくと利用出来るお店の幅を広げられるでしょう。
これらの特徴から考えると、クレジットカードを1枚のみ所持するのであれば、やはり加盟店が多くどこでも利用しやすいVISAをお勧めしたくなってしまいます。
しかし、海外での利用を希望しているのであれば、その国によって得意とするブランドが違ってくるため、予め調べておき、その国でより加盟店の多いブランドのカードを作るようにするといいかもしれませんね。
また、海外だと磁気によるトラブルが発生してカード決済ができなくなってしまうと言うことも考えられますので、万が一のことも考えて、カードを2~3枚程度持っておくと安心でしょう。
もし数枚クレジットカードを所持するのであれば、全てVISAにするのではなく、1枚目はVISA、2枚目はMasterCard、3枚目はJCB等という形で変えていくとより利用の幅を広げられますね。