在籍確認がないクレジットカードってあるの?
クレジットカードを申し込むと、本人確認や在籍確認などの電話がかかってきますね。
本人確認なら自宅や携帯電話にかかってくるため、それ程不便を感じる方はいないかもしれませんが、在籍確認となると話は違ってきます。
在籍確認と言うのは、カード会社から勤務先へ直接電話がかかってくるからです。
その会社に実際に勤務していない無職の方や、勤務先に電話がない方、電話の取次ぎが難しい場合など、クレジットカードは欲しいけれど在籍確認が困ると考えている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、在籍確認は何の為に行われているのか、在籍確認がないクレジットカードはあるのか?と言うことについてお話していきたいと思います。
1.在籍確認はなぜあるのか?
在籍確認と言うのは、申込み書に記載されている勤務先に申し込み本人が本当に在籍しているのかを確認するために行われます。
もしも在籍しておらず、無職だった場合、今後の返済能力は期待できませんね。また、この様な嘘の申告をする方にクレジットカードを発行したいとは思えないものです。
簡単に延滞したり、カード利用後行方不明になってしまうかもしれません。
カード会社はこの様なリスクを回避するために、在籍確認を行っているのです。
しかし、在籍確認がないままクレジットカードを手にする事が出来たという方もたくさんいらっしゃいます。では、在籍確認がないクレジットカードと言うものも存在するのでしょうか?
残念ながら、在籍確認のないクレジットカードと言うのはありません。
在籍確認がなかったという方は、“そのカードだから”ではなく、“その人だから”行われなかっただけなのです。
では、在籍確認が行われない場合について詳しく見ていきましょう。
2.在籍確認なしでクレジットカードを手にする方法
以前カード会社は、どの様な状況の方でも必ず在籍確認を行っていたのですが、最近は電話をかける必要がないと感じられる方には行わない傾向になってきました。
電話をかければ電話代がかかりますし、電話をかける作業を行う方を雇わなければならないため、人件費もかかります。
また、最近はクレジットカードの即日発行を希望する方も増えてきたため、電話確認によって発行手続きに遅れが出てしまうのは、申し込み者とカード会社お互いにとって好ましくないと考えられるようになったのです。
そのため、在籍確認が必要ないと判断した人には、在籍確認なしでカードを発行しているのです。
つまり、「在籍確認を行う必要のない人」に自分が分類されることができれば、在籍確認なしでカードを取得することができると言うことになりますね。
では、在籍確認が必要ない人と言うのはどのような方でしょう?
それは、クレジットヒストリーが良好な方です。
クレジットヒストリーと言うのは、クレジットカードの審査の際、必ず確認される個人信用情報に記載されている内容のことを指します。
個人信用情報には、過去の借り入れに関する情報はもちろんのこと、携帯電話機種代の分割払いの返済状況や、クレジットカードを申し込んだ履歴等も記録されているのです。過去にどの様な借り入れを行い、その返済をどのように行ってきたのか、延滞したのか否かまで、全てわかるようになっています。
クレジットヒストリーが良好ではない状態と言うのは、過去の借り入れに対して延滞の経験があったり、複数の会社から借り入れを行いすぎている多重債務者であったり、複数の会社へ一度に申し込みを行った多重申し込み者である、債務整理を行った経験があるなど、今後新たにお金を貸しても、確実な返済が期待できそうにないという記録が残っている事をいいます。
この場合、カード発行を見送られるか、在籍確認を行い今後の返済能力を判断されることになるでしょう。
さらに、クレジットヒストリーには、過去に借り入れした際の住所や勤務先などの情報も記録されているのです。もし、新規で申し込みを受け付けた時に、その申込み書に記載されている住所や勤務先とクレジットヒストリーの記録に違いがあると、これもまた在籍確認を必要とする人に分類されてしまいます。
勤務先が変わっていない場合は、以前の借り入れの際、在籍確認が行われたうえで確実と考えられたから借り入れが可能になったのであり、今回さらなる確認を行なわなくても問題ないだろうと考えられますね。
しかし勤務先が変わっていると言うことは、その会社に本当に勤務しているか確認した記録がないため、確実なことはわかりません。もしかすると退職しただけでその後新たな勤務先に就職していない無職の方かもしれないのです。
カード会社は無職なのに関係のない勤務先の情報を記載し、偽ってカードを取得しようとしている方を見過ごすわけにはいきませんね。
ですから、過去の借り入れに問題がなく、勤務先等の情報に変更もない、クレジットヒストリーの良好な方以外には基本的には在籍確認が行われるのです。
もし在籍確認を避けたいのであれば、クレジットヒストリーに傷をつけないような返済を継続し、なおかつ頻繁に転退職を行わないことが重要になります。
但し、クレジットヒストリーがあると言うことは、以前にも借り入れがあり、その時点で在籍確認を行われたからこそ、今回免れることが出来たとも考えられます。
今クレジットカードを持っている方は、誰でも1度は在籍確認をされた経験があるのかもしれませんね。
また、この逆で、過去に借り入れ自体を行ったことのない、クレジットヒストリーがない状態の方はどうなるのでしょう?
悪い情報が記載されていないので、在籍確認は必要ないのでは?と考えられますが、実はこの様に過去に借り入れを行った経験がない方と言うのも、在籍確認の対象となってしまうのです。
それは、良好な返済が出来る人なのかどうかを判断する材料がないためです。
また、過去に債務整理を行った方が一定期間経過したのちその記録を消された時、クレジットヒストリーがない真っ白の状態の方と同じように真っ白になります。
カード会社としては、過去に債務整理を行った方なのか、ただ単にクレジットヒストリーがない方なのか見分けることも出来ないのです。そのため、在籍確認をするか、もしくは「真っ白」と言う状態を見ただけで自動的に審査落ちとしてしまうことになります。
債務整理について詳しくは債務整理ガイド110番をご覧ください。
3.在籍確認の確率が低いクレジットカード
在籍確認が絶対にないというクレジットカードはないのですが、在籍確認をされる確率の低いクレジットカードと言うのは存在します。
それは、審査が柔軟だと言われている流通系のクレジットカードです。楽天カードやイオンカード、エポスカードなどですね。即日発行出来るとしているカードも在籍確認を行う時間がありませんので、在籍確認なしで発行される可能性が高いでしょう。
但し、確率が低いと言うだけで、クレジットヒストリーに問題があったり、勤務先、住所などの属性に変更がある場合はやはり在籍確認の可能性は高まってしまいます。
もしもクレジットヒストリーに問題はないけれど、勤務先を変更していて、新しい勤務先では在籍確認の電話を取り次いでもらえそうにないと考えられる場合は、クレジットカード申し込み時にあらかじめ相談しておくといいかもしれませんね。
確実に勤務していることがわかるような書類を提出したり、今後の返済能力を信用させられるような資料等があるとよりいいでしょう。
しかし、在籍確認をそれほど恐れる必要もありません。カード会社側も、個人名で「佐藤ですが、○○さんはいらっしゃいますか」という形で知り合いの方が電話をかけてきたように配慮してくれます。
その段階で電話受付の方が「今は席を外しています」「はい、おります」「出張中です」などの回答をするだけで完了なのです。
不安な場合は、電話受付の方に相談してみるのもいいかもしれませんね。
しかし、危険なのは、無職なのに偽ってクレジットカードを作ろうとしている方です。クレジットカードを作る際、どの様な内容でも「偽る」という行為は法律違反となってしまいます。
万が一カードを発行してもらうことが出来たとしても、いつかバレてしまった時に刑事事件として発展してしまう危険性もあるのです。
さらに、無職の場合、クレジットカードを利用しても返済は困難となるのではないでしょうか。
貯蓄が豊富にあり、家族と同居しており、親の援助も得られる場合であれば返済は可能かもしれませんが、それならそのように正直に申告してみましょう。
周りからの援助が可能だと考えられる場合、無職のままカードを発行してくれる会社もないわけではありません。
しかし一番好ましいのは、パートやアルバイトでもいいので、何かしらの職に就くことです。
そうすることで違反をせずにスムーズにクレジットカードを手にする可能性は高まるでしょう。