未成年・学生はクレジットカードの審査に通らない?
クレジットカードと言うのは、基本的には成人した社会人が持つべきものと言う認識が強い傾向にありますね。
では、未成年の方が持つことは出来ないのでしょうか?
今回は、未成年や学生の方がクレジットカードを持ちたいと思った場合のカード審査についてお話していきたいと思います。
1.年齢制限
クレジットカードと言うのは、多くの方に活用してもらうために発行されているのですが、一時的に立て替えたカード利用分は後にしっかり返済してもらえないと、カード会社は経営を続けていくことが出来なくなってしまいますね。
その為、それぞれのカード会社では独自の審査基準を設け、返済能力を見極めた上で大丈夫と判断した方へのみカードを発行しているのです。
この返済能力を見極めるための審査基準というのは、安定した収入がある事や、正社員である事、勤続年数が長い事、個人信用情報に傷がない事などが主になります。これらの条件を満たすことが出来ると審査通過率は高くなりますが、もう一つ忘れてはならない条件があります。
それが、年齢による制限です。
カード会社によって若干の違いはありますが、多くのクレジットカードで設定している申し込み可能年齢は、18歳以上70歳未満です。
ここで注目すべき部分は下限年齢です。20歳からではなく、未成年の18歳からとなっていますね。
つまり、18歳以上であれば、未成年でもカードを持つことが可能と言うことになります。
最近は誰でも1枚はカードを持ち、現金を持ち歩かずにショッピングを楽しむカード社会になりつつありますね。また、未成年をターゲットとした高額商品も増加の傾向にあります。
そのため今は、成人していなくても、クレジットカードを持ちたいと思う方はどんどん増えているのです。
カード会社はカード利用希望者全員へクレジットカードを発行し、積極的に利用してもらいたいと考えていますが、収入が無く、利用分の返済も難しいだろうと思われる年齢の方への発行はリスクが高すぎますね。
そのため、未成年でも、収入を得ている可能性が高く、責任も感じることの出来る年齢を考慮し、18歳と定めることとなったのでしょう。
中学を卒業し、すぐに仕事に就く方もいますが、多くの方は高校を卒業して初めて、進学か就職の道を選択することになりますね。もし仕事に就いているのであれば、成人同様安定した収入も期待出来ます。
大学へ進学をしたとしても、アルバイトなどで御小遣いを稼ぐ学生も増えることでしょう。
つまり、未成年でも自ら収入を得ている可能性の高い年齢というのは、高校を卒業した18歳からという事になるのです。
2.未成年者がクレジットカードを持つ場合の条件
18歳以上であったとしても、誰でもクレジットカードを持つことが出来るわけではありません。未成年に対しても成人同様の審査が行われるので、その審査に無事通過することが出来ないと持つことは出来ないのです。
また、その他にも未成年ならではの条件があります。以下の条件をクリアしなければクレジットカードの審査に申し込むことも出来ないでしょう。
・18歳以上であること
・高校生ではないこと
・親権者の同意が得られること
未成年でもクレジットカードを持つことは可能ですが、18歳未満の方はどんなに収入があっても、どんなにその収入に安定性があったとしても、クレジットカードの申し込みを行うことは出来ません。
また、留年などをしていて、18歳以上だけれど高校生の場合もまた、カードの申し込みは出来ません。
更に、親権者の同意が得られず、同意書の提出が出来ない場合も審査に通過することは出来ないでしょう。
つまり、未成年の場合は、一定の年齢に達していても、高校を卒業し、親の同意が得られ、さらにカードの審査に通過しなければクレジットカードを持つことが出来ないのです。
3.未成年の学生・社会人のクレジットカード審査
上記の条件をクリアした方であれば、未成年でもクレジットカードを持つことは可能ではありますが、審査の柔軟性は、申し込む方の置かれている状況により変化していきます。
未成年の場合、勿論定職に就き、成人同様の安定した収入を得ている方もいるでしょう。しかし、高校を卒業しそのまま進学している可能性も高いですね。
また、進学せず定職にも就かずフリーターとなっている方、ニートの方もいるかもしれません。このように様々な状況の方へ同じ審査が行われると言うのは、不公平ですね。
当然、審査の進行具合は、「働いている」のか「無職」なのか「学生」なのかで大きく変わっていきます。そこで、それぞれの場合について見ていきましょう。
①働いている未成年者の場合
未成年で、クレジットカードの審査に一番通過しやすい方は「安定した収入がある社会人」です。
クレジットカードも一種の借り入れと同じものですので、お金を貸した後、確実な返済が期待できる方へカードを発行したいと考えるのは当然ですね。
ですから未成年でも、定職に就き毎月安定した収入のある社会人は、今後の返済能力の面でも安心が得られるため、クレジットカードの審査に通過しやすくなるのです。
この場合、18歳以上の申し込み可能としているカードであれば、どのカードでも申し込むことが出来るでしょう。(※まれに申し込み可能年齢20歳以上としているクレジットカードもあります)
しかし定職に就いているわけではなく、アルバイト等、いくら社会人でもその収入に安定性がない場合は審査が若干厳しくなってしまいます。フリーターであれば、すぐに仕事を辞め、無職となってしまう可能性も高いと考えられるからです。
勿論全くの無収入の方よりは好条件ですし、若いからこそ今後の可能性は無限に広がっていると考えられますが、将来の見通しが立たない状態で、お金を貸すと言うのはリスクが高すぎます。
ですから、アルバイトの場合、実家で親と同居していたり、その実家が持ち家であること、固定電話があること、等も考慮した上で審査を進められることになります。
実家で同居であれば、支払いが不能になってしまっても、親が肩代わりしてくれる可能性が有りますし、実家が持ち家で固定電話もある場合は、カード利用者本人が行方不明になってしまったとしても、その両親までも行方が分からなくなってしまうことは考えづらいですね。
このように、カード申し込み者本人の返済能力を審査し、もし返済能力に不安を感じた場合は、家族が肩代わりしてくれる可能性も含めて、審査が進められるのです。
また、未成年の場合は就職して間もないことはわかりきっていますね。そのため、成人であれば勤続年数が短いと言う理由だけで審査に落ちてしまう場合でも、未成年であれば、勤めて間もなくても家族や住まいなど総合的に判断し、審査に合格することも多いと言われています。
勿論保護者がいてこそ可能な方法ではありますし、もし審査に合格し無事カードを手にすることができたとしても、その利用限度額は低く設定されてしまうため、不便を感じる方も多いかもしれませんが、成人するまで待ち、就職して間もない収入の不安定な状態でカードの申し込みをするよりも審査通過率は上げることが出来るため、この場合は未成年のうちに申し込んだ方がお得かもしれませんね。
②無職の未成年者の場合
基本的には本人に安定した収入が無ければ申し込みを受け付けることが出来ないと言うのがクレジットカードです。当然無職では申し込むことができないでしょう。
しかし、未成年の場合、保護者の同意を得られると申し込みが可能となる場合もあるのです。
この場合、以下のような条件をクリアする必要があります。
・保護者の同意が得られる
・保護者と同居している(実家暮らし)
・世帯年収が300万円以上
・実家が持ち家である
・持ち家に長く住んでいる
・固定電話がある
この様な条件をクリアできると、申し込み者本人ではなく、保護者の保護責任能力を信用してクレジットカードを発行する形になります。しかし、どの様なクレジットカードでもこの方法でカード発行が可能となるわけではありません。
楽天カードなど、比較的審査が柔軟なものを選ぶといいでしょう。
③学生の場合
学生の場合は、安定した収入がないのは当然ですね。アルバイトをしている方も多くいらっしゃるとは思いますが、正社員ほどの給料を受け取っている方と言うのは少ないことでしょう。
しかし、学生だからこそ通過出来るクレジットカードというものがあるのです。それは、「学生専用クレジットカード」です。
この場合、以下の書類を用意出来ると、カードを手にする事が出来るでしょう。
・保護者の同意書
・学生証の写し
また、この時、保護者の返済能力や個人信用情報などは調査せずに審査が進められます。
18歳以上で学生であると言うことは、親には「子供を大学に通わせることが出来るだけの収入がある」と判断されるからです。
また、申し込み本人も、大学に通っていると言うことは将来に期待が持てますね。後に大手に就職し、安定した収入を得て、カード会社にとって優良な顧客となってくれるかもしれません。そのような将来を期待して発行しているカードとなるのです。
そのため、審査は通常のカードよりも柔軟になっています。
4.18歳未満でも発行可能なカード
18歳以上であればクレジットカードを持つことは出来ますが、18歳未満の未成年でカードを持ちたい場合はどうしたら良いのでしょう?
この場合、デビットカードが便利です。
デビットカードと言うのは、銀行から発行しているキャッシュカードの一種です。
キャッシュカードとしても利用できますし、ショッピングの際、レジでカードを出し「デビットカードで」と伝えると、クレジットカードのような決済を行うことが出来ます。
このデビットカードであれば15歳以上の方から持つことが出来るので、18歳未満の未成年で、現金を持ち歩きたくない、カード決済したいと言う場合はクレジットカードではなくデビットカードを利用するといいでしょう。
但し、このデビットカードと言うのは、ショッピングしたその瞬間に口座から利用分を引き落す形で決済しますので、口座に残高がなければ利用することが出来ません。
後の支払日までにお金を用意しておけばいいというクレジットカードとは若干違いが生じてしまいます。また、J-Debitという表示のあるお店でしか利用できないので、クレジットカードよりも利用範囲は狭められてしまうかもしれませんね。
しかし、全てのショッピングを現金で行うのは不便という方にとっては15歳から使えるデビットカードは便利なものとなるのではないでしょうか。
デビットカードであれば、難しい審査などもせずにすぐに手にすることが出来ます。
この他、未成年がクレジットカードを手にするためには、同居する保護者が持っているカードの家族カードを発行すると言う手段もありますが、この場合も高校生は不可ですし、年齢も18歳以上でなければなりません。
未成年や学生でも18歳以上であればクレジットカードを持つことは可能ですし、15歳以上であればクレジットカードの代用としてデビットカードを利用できるということはおわかりいただけたかと思います。
しかし、未成年の段階でカードを持つ場合は、その目的は「積極的に利用すること」ではなく、「社会勉強の一環」として考えるといいかもしれません。
クレジットカードも使い方を間違えると返済が困難になり、借金に悩まされる危険性も秘めています。将来的にお金で苦しむことのないよう、限度額が低いカードで、若いうちから正しい利用方法を身につけておくといいでしょう。