年金生活者でもクレジットカードの審査は通る?
クレジットカードと言うのは、基本的に収入のある方が申し込むべきものですね。
ショッピングする時に現金不要で決済可能となる便利なカードという認識が強いかもしれませんが、クレジットカードも一時的にショッピング代金を立て替える仕組みとなっていますので、他の無担保ローンと同じように一種の借り入れと言えます。
ですから、返済能力の有無を診断するために、クレジットカードを発行する際にも借り入れと同じような審査が必要となるのです。
この審査では、主に、安定した収入があること、勤続年数が長く正社員であること、過去の借り入れに問題がないこと、等を中心に確認します。そして、お金を貸しても確実な返済が期待できると判断されると審査に通過することが出来るのです。
では、年金生活者はどうでしょう?年金収入となっても、クレジットカードの審査に通過することは出来るのでしょうか?
無職やアルバイトの方とは違い、その収入の安定性はありますね。しかし、毎月決まった収入はあるものの、その額は決して多いとは言えません。この状態で新規のクレジットカード取得は可能なのでしょうか?
今回は、年金生活者がクレジットカードを申し込んだ場合の審査について、お話していきたいと思います。
1.年金生活者のクレジットカード作成は可能か?
年金生活者でも、クレジットカードを作ることは十分可能です。
しかし、どのカード会社でも作成可能と言うわけではありません。
実はカード会社によって、年金を「安定した収入」とみなす場合とみなさない場合があるのです。
もちろん、無職の方よりも収入は確実にありますし、アルバイトやパートの方よりも安定していると考えられるため、年金もれっきとした収入と考えていいとは思うのですが、問題なのはその額です。
年金と言うのはそれほど高額のものではありませんね。また年金を受け取っている方と言うのはご高齢で定年退職された方がほとんどですので、年金以外の収入源がない場合が多いものです。
すると、少ない年金の中からやりくりをして生計を立てていると言うことが窺えます。
その為、生計を立てるだけでやっとの収入の中から、カード利用分の支払いを賄うのは難しいのではないかと考えるカード会社も存在するのです。
カード会員は増やしたいものの、確実な返済が期待出来ない相手には発行したくないと考えるのがカード会社ですので、年金生活者と言うだけで審査に通過させてくれない場合もあるのです。
年金生活中にクレジットカードを作りたい場合は、審査申し込みを行う前に、まず希望のカード会社に確認してみるといいでしょう。
カード会社へ審査の申し込みを行ったと言う事実は個人信用情報に記録されてしまうので、申し込みを行い、審査落ちしてしまう事を何度も繰り返すと、多重申し込み者となり、どのカード会社の審査も通過出来なくなってしまうことがあります。
申し込む前の段階で年金生活者には発行出来ないと言うことがわかれば、申し込む手間も省けますし、多重申し込み者となる危険性を回避できますね。
もし電話や窓口で確認するのが面倒と言う場合は、申込書を見てみるのも一つの手段です。
年金生活者の申し込みも受け付けているカード会社と言うのは、申し込み者の勤務状況の欄に、「年金受給者の方」という項目が設けられています。この項目があるか否かを確認することで、その会社に年金生活者を受け入れる体制が出来ているのかどうかと言うことがわかるでしょう。
2.年金生活者がクレジットカードに申し込む場合の条件
しかしどんなに年金生活者を受け入れる体制が出来ているカード会社だとしても、年金生活者としての一定条件をクリアできないと審査に通過することは難しくなってしまいます。
その条件と言うのは、以下のものです。
・69歳以下であること
・180万円以上の年金収入があること
この条件をクリアしていないと、クレジットカードの審査に通過する可能性がとても低くなってしまいます。
また、これ以外にも、年金生活者以外の方が申し込む時に必要となる条件もある程度クリアして置くことも大切です。
個人信用情報に問題があってはどんなに上記の条件をクリアしていても審査に通過することは難しくなりますし、他社からの借り入れが多かったり、固定電話もなく住所も特定されていなければさらに信頼度は下がってしまうでしょう。
3.年金生活者でも申し込み可能なカード会社
基本的に流通系のクレジットカードであれば、年金生活者の方でも申し込み可能となる場合が多いものです。
流通系のカードと言うのは、利息等から利益を得るために発行しているわけではなく、集客や知名度向上を目的として作られている為、収入が少なかったり安定していなかったとしても、発行可能となる場合が多いのです。
例えば、流通系の楽天カードであれば、ネットからの集客を望んでいますので、ネットショッピングを頻繁に行う方を好みます。ですから、無職の方や専業主婦の方等、収入がなくてもネット頻繁利用者ということだけで審査に通過する確率が上がると言われています。
年金生活者は専業主婦や無職の方よりも収入がありますので、インターネットからの申し込みを行えば、ネット利用者と認識され、審査も通過しやすくなるでしょう。
また、イオンから発行されているイオンカードや、マルイから発行されているエポスカード等も自分の店舗の顧客獲得のために発行されている流通系のカードです。
そのお店で頻繁に買い物をする予定がある場合は審査にも通過しやすくなるでしょうし、この様なカードは年会費も無料となっているので、利用しなくても損をすることはありません。
使うかどうか分からないけれど、いざと言うときの為に持っておきたいと考えている方にとっても、便利なカードとなることでしょう。
流通系のカード以外であれば、アコムから発行されているACマスターカードもお勧めです。こちらは年金生活者だけではなく、収入の少ないアルバイトやパートの方への発行も可能となっています。
審査自体が柔軟ですので、年金生活者でも安心して申し込むことが出来るでしょう。また、即日発行も可能となっているので、欲しいと思ったその時にすぐ手にする事が出来るという点でも便利ですね。
但し、ACマスターカードはクレジットカード特有の特典がないと言う欠点があります。
支払いも全てリボ払いとなってしまうので、利息が付加されてしまいます。ショッピングもキャッシングも可能のカードとしては便利ですが、クレジットカードとして考えると残念な部分が多いかもしれません。
4.年金生活者がクレジットカードを持つ為のコツ
年金生活者が更に審査通過率を上げるためには、特定の銀行と長期に渡り取引しておくことも大切です。特定の銀行を長年給与振込口座として利用していたり、そこで住宅ローンや車ローンを組むなどして返済も滞りなく行っていれば、当然銀行にとって大切な優良顧客となっていることでしょう。
さらに定期預金も持っていると、より好印象となりますね。
この様に特定の銀行と良好な関係を築くことが出来ていると、その銀行と提携しているクレジットカードの場合、その取引状況を確認し、すぐに発行可能となることでしょう。
年金生活になってから後悔することのないように、年金生活に入る前に、様々な場所から信頼されるような取引を継続して置くことも大切なのですね。
もちろん、特定の銀行と良好な関係を築くことが出来ていたとしても、年齢上限を超えていたり、年金収入が著しく少なかったり、他の借り入れが多くあったり、個人信用情報に傷が入っているなど、属性に問題があればどの様なカード会社の審査にも通過することは出来ませんが、最低限の条件をクリアし、特別問題がない場合は、年金収入のみだからということでクレジットカードの申し込みを諦める必要はありません。
今の時代は高齢化社会となっていますし、高額商品は特にカード決済となる傾向にあります。また、年金生活者と言っても65歳はまだまだ若いという認識も強くなっています。ですから、カード会社も徐々に年金生活者へも発行を行うようになっているのです。
今後も時代の変化と共に、高齢の方でもカードを持つことが簡単になってくるかもしれませんね。
※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う業務の縮小によりACマスターカードを発行できない場合がございます