ブラックでも作れるクレジットカードは存在する?
残念ながら、ブラックリストに掲載されてしまうと、クレジットカードを作ることはとても難しくなってしまいます。しかし、ブラックだから絶対にカードを持つことが出来ないというわけではありません。
また、ブラックリストに載ったと誤解しているだけで、実はブラックではないという方も多くいらっしゃいます。
まずはブラックリストに載ったと言うのはどういう状態のことを指すのか、また、ブラックとなってしまった場合に、どの様にクレジットカードを作ればいいのか、と言うことについてお話していきたいと思います。
1.ブラックリストとは?
実際にブラックリストというものが存在するわけではありません。
金融機関へ借り入れやクレジットカードの申し込みをする際、審査の段階で個人信用情報というものをチェックされるのですが、この個人信用情報には過去の延滞や債務整理などについて詳しく記載されています。
この個人信用情報を見るだけで、金融機関は、申し込みをしてきたその人が過去にどの様なローンを組み、どの様な返済を繰り返してきたかと言うことが直ぐにわかってしまうようになっているのです。
ここに思わしくない情報が記載されている状態を、「ブラックリストに掲載された」と言うのです。
しかし、「思わしくない情報」と言うのを、数回の延滞のことだと勘違いしている方がいます。実は数回延滞をしてしまっても、それはブラックリストに掲載されたとは言いません。
3か月以内に解消された延滞の場合は、入金状況の項目で、延滞があった月に「A」と言うマークをつけられてしまいます。
このAマークは確かに金融機関からすると好ましくないマークではありますし、このマークを見つけただけで自動的に審査落ちとしてしまうカード会社も存在します。
しかし、この段階ではまだブラックリストに掲載されたとは言わないのです。
どんなにAマークがたくさんついていても、そのどれも3か月以内に解消することが出来れば、それはブラックリストに掲載された状態ではありません。
危険なのは、3か月以上(61日以上)の延滞があった場合です。
返済が滞り、それが3か月経過しても解消されなかった場合に、入金状況欄にAマークが付くのと同時に、返済状況欄に「異動」という文字が記載されます。
この「異動」と言う文字こそが、ブラックリストに掲載されてしまったという状態なのです。
多くの方は「延滞を何度も繰り返したからブラックリスト入りだ」と勘違いしているようですが、3か月以内に解消出来ている方がほとんどで、実際にはブラックリスト入りではないという方の方が多い傾向にあります。
3か月以内に延滞を解消出来たかどうか不安だという方は、一度自分の個人信用情報を確認してみるといいかもしれませんね。
手数料が1,000円程度かかってしまいますが、依頼をすると自分で開示することが出来ます。
2.3か月以内の延滞の方がクレジットカードを作るには
3か月以内に延滞を解消している方は、ブラックではありませんが、Aマークがついてしまっているので、クレジットカードも含め、様々な借り入れの審査に通過しづらい状況となっています。
この場合、どうしたら良いのでしょう?
まずはAマークを消さなければなりませんね。
入金状況と言うのは、現在から2年前までの返済について記録されるようになっています。ですから、新規の返済履歴を作っていくと、自然と古いものから消去していくことが出来ます。
しかし、もし新規の借り入れもなく、返済履歴を作りだせない状態が続いてしまうと、過去の2年間の入金状況はずっとそのまま残り続けてしまいます。
ですから、携帯電話の分割払いを行ったり、今持っているクレジットカードの良好な返済履歴を作るなどして、過去のAマークを押し出すよう努力することが大切です。
Aマークは現在に近い部分についている方が印象が悪くなってしまうと言われています。消すことが難しくても、少しでも過去へ押し出せるよう、新規の良好な入金状況を作り出しましょう。
この場合はブラックリストの状態よりはまだ望みがあるため、比較的審査が柔軟なクレジットカードであれば作ることも出来るはずです。まずは希望のカードではなくても、作りやすいカードを作り、良好な入金履歴を作ってから第一希望のカードの申し込みを行うといいかもしれませんね。
3.3か月以上の延滞の方(ブラックの方)がクレジットカードを作るには
いわゆるブラックリストに掲載されてしまっている状態の方は、クレジットカードを作るのは難しいと言うことを念頭に入れておきましょう。
その上でより可能と思える方法をご紹介して行きます。
①完済し、5年経過するまで待つ
これは一番確実な方法です。ブラックリスト入りとなってしまった場合は、そのローンを完済し、5年経過すると「異動」という文字を消すことが出来ます。
「異動」の文字が消えると、ブラックリストに掲載されている状態ではなくなりますので、安心してクレジットカードを申し込む事が出来るでしょう。
しかし、審査の厳しい会社では過去のリストを残したままにしていることもあります。この様な会社ではどんなに年数が経過しても審査に通過することはできないでしょう。
先ずは審査が柔軟なカードを作成し、良好な返済履歴を作ることから始めるといいかもしれませんね。
過去にブラックリストになったことがあっても、今現在はきちんと返済が出来ていると言うことがわかれば、信用度を上げることが出来るでしょう。
②消費者金融系のクレジットカードを申し込む
消費者金融系のクレジットカードは、通常の銀行系や信販系のクレジットカードよりも審査が柔軟だと言われています。
このカードであれば、「異動」という文字が残っていたとしても、今現在延滞が解消されていると言うことがわかれば審査に通過する事が出来るかもしれません。
しかし、このカードはあくまでも消費者金融から発行しているものですので、一般的なクレジットカードの特徴と若干違いが出てきます。
まずは特典についてなのですが、通常クレジットカードと言うのは、ポイント還元や商品券プレゼント、カード提示による割引など、様々な特典が用意されていますね。この様な特典が目的でカードを作る方も多いことでしょう。
また、利用すればするほどポイントが増加し、よりお得となっていくのもクレジットカードならではの長所と言えます。
しかし、消費者金融系のクレジットカードには、そのようなクレジットカードならではの特典は少ない傾向にあります。
さらに、支払い方法は常に利息がかかってしまうリボ払いがほとんどです。手数料無料の1回払い、ボーナス一括払い等の返済方法を選ぶことが出来ない消費者金融系のクレジットカードが多いのです。
これでは使うたびにお得になるどころか、使えば使うほど利息の支払いが増加してしまうので損をする計算になってしまいます。
そして、審査は、クレジットカードの審査と言うよりはローン審査に似ています。消費者金融系のクレジットカードですので、ローンを申し込んできた方と同じ内容で行われるからです。
この審査では様々な私情や私生活について詳しく聞かれ、不快感を覚える方も多いようです。
勿論、現金を持ち歩かずにカード決済できるという点では便利ではありますが、この様な様々な方向から考えると、消費者金融系のクレジットカードは、クレジットカードとしてはお勧めできるものではありません。
しかし、ブラックの状態の方がどうしてもクレジットカードを作りたいと言う場合、心強い味方となってくれるかもしれませんね。即日発行も可能となっているので、欲しいと思ったその日のカードを手にする事も可能です。
但し、現在延滞中と言う状態ではどんなに柔軟な審査のカードでも通過することが出来ません。まずは今現在ある延滞は解消することが大前提です。もし難しい場合は債務整理などを行うことも考えましょう。
様々な方法から、先ずは延滞のない状態を作りだすことが何よりも先決です。
③デビットカードでしのぐ
クレジットカードとは違い、デビットカードというものがあります。
これもJ-Debitと言うマークが掲示されているお店であれば、クレジットカードと同じような使い方が出来ます。
また、デビットカードと言うのは、銀行から発行しているキャッシュカードでもありますので、難しい審査も不要で銀行に口座を持っている方であれば誰でも作ることが出来ます。
今はたいていのキャッシュカードがデビットカードとして利用できるようになっているので、ほとんどの方が今手持ちのキャッシュカードをデビットカードとして利用できるでしょう。
もし不安な場合は金融機関に確認してみるといいかもしれませんね。
しかし、このデビットカードと言うのは、クレジットカードのように後払いと言うことが出来ません。ショッピングした代金はレジでカードを提示するだけで支払いが可能という点ではクレジットカードと同様なのですが、支払いをするその瞬間に口座から引き落としとなりますので、買い物をする際、口座に残高がないと買うことが出来ません。
後の支払い日までにお金を用意して置けばいいというものではないため、クレジットカードよりも不便かもしれませんね。
④銀行と信頼関係を築く
1度ブラックとなってしまった方と言うのは、銀行系のクレジットカードを作ることは難しいと言われています。銀行系のクレジットカードを希望している場合は、今現在の延滞を解消することはもちろんですし、「異動」という文字を消すことも大切ですが、先ずはその金融機関との信頼関係を築き上げておくといいでしょう。
そのために、「異動」という文字が消えるのを待っている5年間、給与振込口座をその銀行にしたり、公共料金の引き落とし口座をその銀行の口座に指定して継続的な支払いを行うなど、時間をかけて信用を取り戻す努力をしていくことが大切です。
出来れば定期預金等も作っていくといいですね。
返済がきちんと行えること、定期的な預金が出来ること、毎月決まった収入があることがわかれば、自然と信頼関係を築いていくことが出来ます。
すると、「異動」という文字が消えた頃には、安心してクレジットカードを申し込むことが出来るようになっているかもしれません。
もし銀行系のクレジットカードを作る事が出来れば、それだけで他の金融機関に対しても信用を生むことが出来るでしょう。
すると今後他の金融機関へ借り入れ申し込みを行う場合も有利になるかもしれません。
たかが3か月の延滞で、なぜブラックリスト入り?と思う方もいるかもしれませんが、貸したお金を約束通り期日までに返済をせずに、更に延滞が長期化しているのです。延滞をするだけでも信用はなくしているのに、3か月経過しても解消出来ないのであれば、信用等できるはずがありませんね。
また、失った信用を取り戻すと言うことも簡単ではありません。長い時間をかけて、実績を積んでやっと再び信用してもらうことが出来るようになるのです。
一度金融機関を裏切る行為をしたのであれば、しっかり反省し、時間をかけて信頼を取り戻す努力をしなければならないと言うのは、当然のことではないでしょうか。
しかし、今の時代クレジットカードを持つことが出来ないと言うのはとても不便なものですね。この様な不便な状況を作りださないためにも、借り入れした際は、延滞をしないこと、延滞をしてしまったら少なくとも3か月以内には解消することを心がけましょう。