クレジットカードを他人に貸すとどうなる?
みなさんは、他人名義のクレジットカードを利用されたことはありますか。
ご主人名義のクレジットカードを普段の買い物用に奥さまが使っていたり、遠方の学校に下宿している子供に持たせているなど、本人以外が利用しているケースは意外に良く見る風景ですよね。
このように夫婦間や親子、恋人などの親しい間柄なら、何気なく貸し借りをしていいように思えてしまうクレジットカードですが、他人にカードを貸し出すことは禁止されており、裏面に署名している本人しか利用してはならないと規約で定められています。
しかし、実際のところ、最近のお店ではサインや暗証番号の必要がなく、クレジットカードを提示するだけで利用できる場合も少なくありません。
また、インターネットショッピングでは、クレジットカード番号、有効期限、暗証番号、セキュリティ番号があれば、本人かどうかの明確な確認なしに、他人のクレジットカードでも利用できるようになっており、お店側にバレなければいいのではないかと安易に思う方もいらっしゃるでしょう。
では、クレジットカードを他人に貸してトラブルが起こるとすれば、どのようなケースがあるのでしょうか。
また、他人への貸し借りがバレた場合、クレジットカード会社から、どのような対応をされるのでしょうか。
万が一の時、クレジットカード会社からの補償が受けられない
まず、他人にクレジットカードを貸した場合、何万円までと約束していたのにそれ以上に使われた、借りた人がカードを失くしてしまい、不正利用されてしまった、貸したクレジットカードの利用が本人ではないとバレて警察に通報された等、いかなるトラブルが起こったとしても、クレジットカード会社からの補償は受けられません。
通常利用時において、クレジットカードの紛失や盗難による不正利用が起こった場合、クレジットカード会社が定める届け出期間内に、その旨を連絡することで、損害を補填してもらえる紛失・盗難保険を利用することができますが、他人にクレジットカードを貸していた場合のトラブルは、クレジットカード会社の規定違反を犯しているので、盗難保険の補償対象外となります。
自分がカードを使ったと虚偽申告したら?
では、自分が利用していたと偽って、クレジットカード会社に紛失・盗難の届け出をした場合にはどうなるのでしょうか。
クレジットカード会社に不正利用の届け出をすると、例外なく、本当にカードの不正利用が行われたかどうかの調査が入ります。
利用していた人間が自分に似ていたり、インターネット決済の場合など、うまくクレジットカード会社をだませる場合もあるでしょう。
しかし、その調査の時点で他人が利用していたことがバレる可能性は非常に高く、最悪の場合、クレジットカード会社から詐欺罪で訴えられてしまうことも考えられます。
トラブルが起こった時に泣き寝入りする覚悟がないならば、自分のクレジットカードを他人に貸さないように気をつけましょう。
家族が無断でクレジットカードを使ったら?
では、クレジットカードを貸したわけではなく、家族が無断で使っていた場合はどうなるのでしょうか。
結果から言うと、家族がクレジットカード名義人の許可なしにカードを使っていた場合も、同意の上で貸していた場合と同様に不正利用扱いとはならず、カード会社の補償を受けられません。
これは、クレジットカード会社の規約でカード所持者は、不正利用防止のため、カードを厳重に管理しなければならないと定められているためです。
いくら家族でも手元にクレジットカードがなければ不正利用することはできません。
家族がクレジットカードを利用できる状況になっていたということは、カード所有者がきちんとその所在を管理していなかったとみなされてしまうのです。
また、家族ではなく、同居中の親族や友人、恋人等にカードを不正利用された場合も、カード所有者の管理ミスとなり、不正利用扱いになりませんので、普段から、クレジットカードの保管および取り扱いには十分注意するようにしましょう。